華々しい学歴や職歴、難関資格等がなければ転職ができない、訳ではありませんが、少しでも転職を有利に導くため、それらの有効性は間違いありません。
ヘッドハント以外で、つまり「自ら転職希望」をされる方と面談していると、ご自分を売り込む際にいろいろな「強み」のアピールをされる方がおります。たいへん重要なアクションであり、「私なんてとてもとても・・」という謙遜は、転職には全く逆効果になります。
またこれだけ景気が悪化しますと、優良案件は争奪戦になるのですから「私なんかはとてもとても・・・」は他のライバルに全部譲ってしまうのと同じことになります。
ただ一方で、「一方的なアピール」というのも比較的よく見かけるものです。
「一方的アピール」とは、ナントカいう資格を取った。これはとてもニーズが高い資格で、難関でもある。これからますますビジネストレンドで注目されるものだ・・・という類の、「無名資格」に代表されるものです。
うーん、ビジネスにおいて大切なことは「相場観」だと思います。「私が決める」のではなく、「(ビジネスの)相手が決める」のではないでしょうか。つまりその資格や経験というアピールの価値を決めるのはご自身ではなく、相手です。
社会的な知名度だけがそういった価値を決める訳ではありません。しかしだからと言って、相手がその価値を理解できていないところに、どれほどアピールしてもムダなのです。
と、いうことは、逆に何かの資格やら経験やらを身に付ける際、これは「誰が、どのくらい評価されるのだろう」という視点を持ってはどうでしょう。アウトプットを想定して、インプットを決めるのです。セミナー業者に踊らされて、価値の無い、あるいは全く企業から評価もされない資格に手を出す前に、それがどう評価されるか調べます。
調べてもわからない場合はどうしましょう?
「わからない」というのが結論です。つまりちょっと調べてみたくらいでは理解されない程度の存在ということでしょう。
評価だけを重視しろと言う意味ではありません。しかしその価値もわからず、お金と時間とエネルギーを投資をする、というのはやはり無謀だと思います。